フェアな場

僕は週に一回、小学生向けに英語のレッスンのようなことを提供している。基礎的な知識がなくても参加をしていいことにしているから、受講者の子たちの英語のレベルはまちまちだ。

そのレッスンで、先週、とある子をぴしゃっと叱った。僕には珍しいことだ。「人が話しているときに割り込まないで。自分の物知り具合を自慢しないで。」という具合に、ごく短くだけど説教をした。

そもそもその子は、タイミングを選ばず、思ったことをすぐ口にする傾向があった。僕の説明に割り込むことは以前にもあり、その都度うまい具合にスルーしていたのだ。レッスンの流れを止めないようにね。ただ先週は、ちょっと事情が違った。教材にちょっと難しめの単語が登場し、僕がさらっと意味を説明したところ、話に割り込む形でその子が「それ、私が答えたかったな」と言ったのだ。そこで僕は説明を中断し、注意をしたというわけだ。

「三人称単数現在」の概念もわかってないような子もいるのに、物知りな子にスポットが当たるシーンをつくるわけにはいかなかった。できるだけみんながフェアに扱われるような場所は担保しなきゃいけない。

「それ知ってる!」と得意になったり、知識を自慢したい気持ちがあることは、あたりまえのことだ。子供でも大人でもね。それ自体は悪いことんゃないけど、他の人が居るのに、自分だけが注目を集めるのがまずいタイミングはある。そのために他の人が押しのけられるような構図になることがあるから。

世の中の先生たちは、このあたりのことを配慮しながら場をつくっているんだなあ、と想像したのだった。

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