「JOKER」。決して後味が良かった映画ではなかった。でも、いい映画だった。矛盾するようだけど。最後まで「どうなるんやろう」と関心を持って見られたのね。
なんと言っても、ジョーカーを演じた、ホアキン・フェニックスの演技が素晴らしかったな。ずたずたに傷ついておかしくなっていっちゃう様子には迫力があった。
この映画のジョーカーって、まるで某国の大統領みたいだなと思った。社会が生み出したモンスター。
ジョーカーになる主人公のアーサーは、もともとおかしくなってしまう素質みたいなものはあった。だけど最終的なトリガーは、彼を取り巻く残酷な環境とか出来事なんだよな。「現実世界でもこういうのがそのうち出てくるぞ」っていうメッセージにも思えた。
やつに共感はできないけれども、「おめーは悪だよ!」と簡単にジャッジ仕切れない。白黒つけがたいものを見せられて突き放される感じが、この映画の良かったところ。