言えると聴こえる

リスニングの力をつけるには、どうすればいいんだろう?だいぶ前に、英語を改めて真剣にやろうと思い立った頃、リスニングの力がないことが僕の大きな悩みでした。

単語や文法は知っているのに、喋られているのを聴くと、わからない。スピードが速いし、そもそもゴニョゴニョ言っているようにだけ聴こえて、意味として入ってこなかったのです。「学校で勉強してきたことって何やったんや!」という憤怒でどうにかなりそうでした。自称・英語が得意な学生だったから…。

悩みを解決するために、僕の師匠に教えてもらった方法はシンプルでした。それは「素材を真似して音読せえや!」ってことでした。半信半疑でしばらく続けてみたら、試験のリスニングの点数がびっくりするぐらい上がりました。

自分に起こったことを考えて、だんだんとメカニズムがわかってきました。僕は、文字と意味は知ってても、それがどういう音なのかを単に知らなかったんです。そもそも知らないんだから、そりゃあ意味は入って来ないよ。知らなかったという事実を知りました。無知の知。

で、音読の何が良いのかと言うと、まず、真似をするためには素材をよく聴くわけです。文字を見ながら聴いて真似ができるようになった頃には、その音が自分のもんになっています。そうすると、そのあとで音声を聴いたときには「は?」とはなりません。「ちゃんと書かれてあることが喋られとるわぁ〜」と鼻をほじりならがらでも理解できるわけです。

これは、レッスンでどの生徒さんも驚くところです。初めて聴いたときには「何言ってんのかわからないッ!」という状態だったのが、「なにもかもクリアーに聴こえる♡」になるわけです。誇張ではではないですよ笑

もちろん、短い素材をひとつ音読できるようになっただけでは、「知っている音」はそんなに増えません。いろんなものが聴けるようになるには、地道な練習が必要です。でも、「わからない→わかる」にたどり着く方法が分かれば、あとは繰り返しやるだけ。僕はそれ以来、音読の練習は素材を変えながら続けています。

続けることにハードルを感じる人は少なくないと思います。また「ひとりで音読なんて恥ずかしいぜ!」という人もいるかもしれません。そういう方には、音読をアシストしてくれるトレーニングを提供しているレッスンはおすすめです。もちろん、当レッスンでも提供しています。僕の生徒さんの中には、トレーニングの機会そのものをスケジュールとして設定したくてレッスンを受けている方もおられます。

英語が聴こえるようになるメカニズムの話は、ほかにもありそうなので、また別の機会に書こうと思います。