1999年に公開された「マトリックス」。奇抜な視覚効果と、「この世はヴァーチャルリアリティー」というぶっとんだ設定が話題になった。その続編が「マトリックス・リローデッド」だ。
ただでさえ難解な世界観なのに、ストーリーは更にわけがわからなくなった。でも僕はこの「リローデッド」を3回観に行った。なぜか?通称「100人スミス」のシーンを観るためだ。
「マトリックス」には、エージェント・スミスという黒スーツにサングラスの悪いおじさんが登場する。詳しく説明するとややこしいのだが、このスミスが永久に増殖する事態が持ち上がり、ものすごい人数で襲いかかってくるのだ。
このシーンが、もう最高。怖いのを通り越してシュール。だってスーツのおじさんが高速で蟻みたいに群がるんだぜ。笑っちゃう。しかし迫力のある音楽が妙にハマっていて、数分のこのシーンを観るのがクセになってしまった。
「リローデッド」の視覚的快感は、これだけではない。スミスの他に、弾丸も斬撃も通用しない半無敵の「ツインズ」というやつらが登場する。真っ白な見た目にドレッドヘア。ほんと気持ち悪い。
こんな強敵を相手に、主人公たちは表情も変えずにクールに闘う(または逃げる)のだ。高速道路で一般人のクルマをめちゃめちゃにしながら。迷惑きわまりないのだが、やはりここもシュール過ぎて何度観ても飽きない。
「マトリックス」は2003年に一度完結したのだが、いま「マトリックス4」を撮影しているらしい。今の映像技術でどのように料理されるのか。楽しみである。