モキュメンタリー映画を見よう「グレイブ・エンカウンターズ」

「モキュメンタリー」をご存知だろうか?ウソのドキュメンタリー風な映画やテレビ番組ジャンルのことだ。某動画配信サービスのラインナップに出ていて興味を持ち、日本でもちょっと前に宣伝されていた「グレイヴ・エンカウンターズ(2011年 カナダ)」を観た。

嘘くさいちゃらちゃらしたお兄ちゃんたちが、嘘の恐怖ドキュメンタリーを作ろうと古い精神病院に入っていくところから映画は始まる。そして本当に怖い目に遭ってしまい、ちゃらちゃらした人たちがぶるぶるする話である。

映画は一応ホラーなんだけど、目を覆うような種類の怖さではない。わりとリラックスして(というのも変だけど)経過を見守ることができた。

モキュメンタリーの特徴の1つは、ゾンビもののようなホラー映画と違って、怖い音楽や血しぶきで煽ってきたりはしないこと。記録映像の体なので、結構淡々としているのだ。それでも出るときは出るんだけど(載せたイラストのシーンがそれです)。

ちゃらちゃら軍団は、ありとあらゆる「いらんこと」をして、一人また一人と脱落していく。僕は「ほら言わんこっちゃない!」などといちいち突っ込む。そして最終的には誰も幸せにならない。

モキュメンタリーによくあるんだけど、「残された映像」を視聴者が見るという体なので、登場人物は大体みんないなくなってしまうのが予めわかっている。そんな救われない映画なのに、楽しんでしまっている自分がいるのだ。

なぜこの映画を楽しめたんだろう?それはたぶん、普段僕らがやらないような「バカなこと」を彼らが肩代わりしてくれたからだと思う。

真っ暗な古い病院なんて、本能的に拒絶するのが普通じゃないだろうか。僕は絶対にいやだ。でも本音はちょっと見てみたい。そんな不謹慎な興味を満たしてくれたんだと思う。

その後モキュメンタリーに興味が出て、だいぶ前に流行った「ブレアウィッチ・プロジェクト」と「パラノーマル・アクティビティ」を続けて観た。舞台が森なのか部屋なのかという違いはあるけど、いずれも大体同じような感じだった。にも関わらず、やっぱりちょっと楽しんでしまっていた。

怖いけどつい乗ってしまう、ジェットコースターみたいなもんなんだろうなと思う。僕は絶叫マシンには乗らないけど笑。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA